忍者ブログ

アルミビジョンのブログ

某所から移転してきました。 主に音ゲーシミュ用の何かとDTM。

2022年春M3で出した曲語り
イベント全体の参加レポに続いて、先のM3で出した曲についてちょっとした語りです。

◎Physitaker様の「RGMES3-monochromatone-
Kazuwee氏主催の「音ゲーに勝手に入れていいコンピ」、とりあえずの最終作とのことです。
4曲出しました。

・Assault - Charged
原型は確か2020年末に作って、そのまま放置してたものだと思います。
なので厳密に書き下ろしというわけではないのですが、他で出したこともないという微妙な立場。

曲はよくあるオールドスクールなハードスタイルです。
シンプルなジャンルなので音色にごまかしが効かず、諦めて各部の素材(特にキック)は自分で作ってません。
それでも大分聴きづらい曲にはなってしまったような。

・SS Sequence United - MEGAMARESPERO
元は2017年のステマニアドベントに向けて作った曲で、落選してますがKazuwee氏の別企画に投げたこともあります。
流石に(Domino+GS音源+Audacityで作った)そのままを再度投げつけるのは気が引けたので、
当時のパラデータを引っ張り出してFL上でミックス・マスタリングをやり直しました。
音圧だけは当時よりマシになったかなと思います。

・Beam ADVANCED - VOLT MIMIC
新曲ですが書き下ろしではなく、XBPというタッチパネル音ゲーのシミュレータで「これこれこういう譜面を作りたい」と思ってギミック先行で作った曲です。
(なお実際の譜面製作は全然手つかずです)
持ってる人は一発でわかると思いますがハイテック忍者の音ネタを全篇で使いまくってます。

Outsiderでは現代音ゲーに対して常に逆張りしてるので、たまにこういう思いっきり現代音ゲーっぽい曲を作るのは、
ある種のガス抜きになって気が楽です。

・nostalgia alternative - deneb
今回出した4曲の中で唯一完全書き下ろしです。後で使わないとは言ってませんが。
ELEMENTAL(Asuka.S氏が別名義で提唱した「民族音楽とトランスを融合したジャンル」)を私が作るときっていうのは、
実は大体他のローカルな電子音楽を作るのをミスった名残である場合が多いのですが、
今回のこれもそうで、"Amapiano"というジャンルの曲を作ろうとした残骸を流用しています。

また前回のRGMES2の時のちょっとした流れで、"Hardwave"というこれまた違うジャンルを知って多少なりとも影響を受けたので、
リズム隊に若干その気配があるかもしれません。

◎OX-Project様の「VORTiFFiKALL -アークビレスの諧蕾-」
「普段歌モノを作らない人が歌モノを作ったらどうなるの?」という発想のコンピで、
実際私もほとんど音ゲー尺のインストばっかり作ってるので、自分はどうなるのか気になって参加してみました。

・ナイラー - 細雪
曲名は「ささめゆき」と読みます。
とりあえず最初に曲名を決めようとして、「自分でもわかりにくいくらいの名前をつけたら印象に残るんじゃないか」と思い、
色々漁った結果、大昔ガキンチョだった時の公文式の会誌で、
アタック25の司会をやってた児玉清さんのインタビューで「『細雪』すら読めないような参加者が増えて愕然とした」旨の発言があったので、そこから引用してきました。

曲はほぼ完全にオケ先で作って、歌詞の譜割りの都合1箇所だけ後で弄ってます。ユーロビート(特にSEBの150~みたいな感じ)なのは単に私の趣味です。
オケはそれなりに早く出来上がったのですが、単純に日本語が怪しい人間だというのもあって、歌詞作りは非常に難航してました。
1コーラスなのは「フルコーラスにすると絶対に途中破綻するから」というのがわかってたというのが一番大きいです。(時間の余裕の問題もあります)
『細雪』というタイトルなので、最悪文脈ぶっ壊れるの覚悟で和風なオノマトペを大量に入れてます。
変な韻の踏み方をしてるのはドラバラ鈴井の巣で各種キャラソンの歌詞を書いてる時の大泉洋のオマージュです。

メインボーカルはVOCALOID5で打ち込んだ物をNEUTRINO No.7で歌わせています。
コーラスも同様ですが、No.7が特別そうなのかNEUTRINO全体がそうなのかはわかりませんが音量下げても目立ち過ぎたので、
一部はVOCALOID3 kokoneに歌わせたものに差し替えてます。

他との兼ね合いで全力投球できたとは言い難いですが、今のところ感触良くてなにより。

◎OX-Project様の「Limit Breaker XV -Moon Phase-」
みんな大好き会場焼きコンピ。

・Beam Standard - quilla
今回の会場焼きのテーマが「月齢」だったのと、
1つ前の会場焼きコンピで遊戯王の太陽龍インティモチーフのゴアトランス「INTI」を作っていたので、
曲のモチーフが月影龍クイラになるのはもはや必然でした。

そうすると、太陽龍インティと月影龍クイラは相互に特殊召喚しあう効果を持っているので、
INTIとquillaは相互に無限ループするような曲にならないといけない。
ちゃんと音楽勉強してる人はその辺の制約をちゃんと考えながら乗り切るのでしょうが、
私は正規じゃない音楽教育すら受けていないのでINTIのプロジェクトデータをそのまま引っ張ってきて別の曲に作り替える力技をやることにしました。

楽器構成と各パートバランスは完全に同じで、テンポをかなり下げたのでさすがにリズム隊は一から作り直しましたが、
パッドとか細かいアルペジオとかは場所によってはINTI製作時に打ち込んだデータをそのまま引っ張ってます。
心残りなのは、時間が足りなくてM3前日も締切ギリギリまで弄っていて、
結局リードシンセまでほとんどINTIの引用にしてしまったことです。本当ならあそこは完全に別のフレーズにしたかった。

収録コンピがバラバラの2曲をループ再生するのが難しいのと、特にINTI側が無限ループに対応してない終わり方をしてるので、
いつか2曲だけのEPとか出したいです。その時は上で書いたリードシンセの流用もどうにか解決したいですね。

◎アルミビジョン「Colored:YELLOW
さてようやく自分の所の話です。
現物をお持ちの方はジャケ裏見てほしいのですが、トラックNo.の前につけている黄色い丸は、
楽曲のBPMをなんとなく表しています。
速い曲は明るい黄色で、遅い曲は段々黒くなっていきます。

(以下全部ナイラー名義なので名義はすべて省略しています)
・Vitamin Juice
作り始めた順番では最後の、一番明るい感情に相当する曲です。
わかりやすい音ゲーコアですね。

かなり上のほうでも書いたように、あんまり現代音ゲーに寄せた曲を作る機会がないので、
トロピカルハピネスなメロディっぽい中にどうしてもジジ臭さが混じってしまいます。

・yellow storm("rainbow storm" respect)
タイトル通り、この曲は大昔のBMSイベントで公開された"rainbow storm"という曲をリスペクトして作った曲になります。
そもそもリスペクト元がそんなに有名ではないのですが(超失礼)、
3/8+3/8+2/8の割り方で同じ音高のリードが鳴ってたりするのがわかりやすいリスペクト要素の部分ですね。

元ネタ曲のBMSのキー音はサンプリング素材として使っていいとreadmeに書いてあったので、
その辺引用して貼り付けようかとも思いましたが、引っ張られ過ぎてタダの耳コピと化しそうなのでやめておきました。

・燦憺時界
前に"摂理再刻"という曲を作ったことがあって、それと同系統の曲になります。
摂理再刻がmuzieで活躍されていたDJ Utaemon氏のオリジナルジャンル"Idiosyncratic"を模したものなので、
言ってしまえばこれもリスペクトです。リスペクトしかしてないなこのCD。

BPMは速いほうなのですが、リードシンセのメロディは明らかにトロピカルハピネスなそれとは気色が違ってきていて、
先日の記事で書いたところの「黄色が表す狂気」がこの曲あたりから見えてきます。

・Bagalamukhi
我慢できずに入れてしまったゴアトランス。
曲名の「バガラムキー」というのはヒンドゥー教の女神様で、黄色に関連付けられることもあります。
かなりかいつまんだ表現なので不正確ですが、戦いをつかさどりつつも戦いを鎮めようとする、
二面性のある女神様です。

そういうモチーフなので、基本いつも通りのナイラーが作るコードがほとんど展開しないゴアトランスなのですが、
終盤突然コード進行を始めて曲自体に別の側面が見えるような作りにしてみました。

・I can't rise to star
「星には昇れない」、かなり意訳すると「天国には行けない」くらいの意味ですが、
元々はEテレのワンルームミュージック2期最終回を見た時、
BUMP OF CHICKENの"彼女と星の椅子"の歌詞が唐突にフラッシュバックしてきて、私が思わずツイッターに呟いてしまった内容が元ネタです。
(ちなみにその回の出演者にいいねされてました。恐えよ。)

久しぶりにハウスっぽいの作りました。
これまでの怪しいメロディも引っ込んで、綺麗めのメロディになったのは元気になったわけじゃなくて、諦めと涙のメタファーですね。
「もうスターにはなれない」んです。

・Lie lies in stomach
そうやって追い込まれた人間の腹の中には「嘘」、つまり「本当ではないこと」だけが詰まっていきます。
製作中の2月後半~3月3週目くらいまで、実社会の仕事においては実際に私もそういう状況だったわけで、
片っ端から適当なことばっかり言ってしまうわけです。もはや自分の存在すらどうでもいいんで。

そういう精神状況で視えるもの、訊こえるものを表すために、
今や懐かしいVaporwave系列のチョップ&スクリュー技法を取り入れて、
さらに無駄リバーブをかけまくって意図的にぼやかした音像を作っています。

・Longing for the Forsaken
「捨てられたものへの郷愁」。最後の最後に残ったもの。
各所で何度も言及してもはやおなじみの、Asuka.S氏の作るハードコアへのオマージュです。

実はこの曲は作り始めだけはかなり早くて、2~3分できた状態で「ちょっと暗くない?」と思って一旦放置していました。
その後、先日の記事でも書いた通り方針転換があって、その上で結局曲が全然作れないままだったので、
最後のほうでこの曲を思い出して無理やり完成させました。
追い詰められた人間が最後に縋れるものが「過去」というのは、製作中の私の状況にもリンクしているので、
BPMは速い方に回復してしまいますがあえてこの位置に置いています。

・Prologue Ⅱ
結局全てを失って、どん底状態で再出発する必要がある。だからプロローグ2。
ただただ不穏で重い、昔のサイバーパンク映画の劇伴風の曲です。

ちゃんと似せられているかは不明ですが、柳井未奈人氏のアルバム"Any problem"のダークな音像が好きなので、
Lie lies in stomach同様の無駄リバーブやディレイを使って真似してみています。

・IMPURE MUSIC (dedicated to 5884)
この曲自体については別記事ですでに散々語っていますのでそちらで。
実は途中までCDの中の1曲として使うつもりだったのですが、それは流石に色々と「やりすぎ」な気がしたので、
Web公開する曲を物理CDのボートラで入れるという扱いで落ち着かせています。



以上15曲がこのM3で出た楽曲になります。
あんまり文章で説明すると印象が固定されて面白味がなくなると感じる人もいるかもしれませんが、
私はこういうの読むの好きなタイプなので、同じタイプの人のために書き残しておきます。
PR

コメント

コメントを書く