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アルミビジョンのブログ

某所から移転してきました。 主に音ゲーシミュ用の何かとDTM。

【再掲】Boundaryサウンドトラック[橙]の解説
※おことわり※
以下は旧アルミビジョン上で公開していた旧Boundaryサウンドトラックに掲載されていた、
橙Boundaryについての解説文章を増補改訂一切なしで再掲したものです。
執筆当時の2016年と再掲時の2024年では見解の相違がありますが、あえてそのまま載せています。
なにとぞご了承ください。




☆前置き・Heavenly Orange期について
Boundary Darkened Red終了後、少し時間をおいて2014年2月20日からBoundary Heavenly Orangeがスタートしました。
前回のサントラの解説にも書いたことですが、
Darkened Redは極端にスケジュールが短すぎたとか、そのせいでクオリティを確保できなかったとか、
「ライブ感」を重視しすぎた結果色々と弊害も出ていたことは把握していました。
加えて、Darkened Redのころほどパケ製作に時間を割けなくなることがわかっていたので、
少し充電期間を作って、製作のやり方を見なおしていくことにしました。

結局、アップデートの間隔を隔週から一か月(大雑把に2倍)に伸ばして、
その分曲も譜面もより注意深く練り上げていくことにしました。
曲についてはこの文章を書いてるEvergreen Destruction終盤のほうがレベルアップしているという自負はありますが、
譜面のほうはもしかするとこの頃のもののほうが出来がいいかもしれません。

Heavenly Orangeの曲は、パケのサブタイトルに合わせて「ポップ」な傾向があると思っています。
とにかく明るくキャッチーに、を信条にいろんなジャンルの曲を書きました。
明らかに明るくなれないようなジャンルの曲とかもありますが、まあそれはそれです。
それとこの頃は本家に対して多少好意的であったので、
意識的に本家っぽい曲、というか下手すると丸パクっぽい曲も作ってます。Machinary Loveとか。



☆各曲解説
01 - Every Little Symbol
パッケージの顔になるように作ったド直球でキャッチーなハピコアです。
環境の都合上なかなか使う気にならない声ネタとか、打ち込むのが苦手な刻むタイプのエレピとか、
とにかくウケそうな要素を片っ端からぶちこんでいきました。

02 - Cryogenic
もともとゴアトランスを狙って作ろうとしたわけではなかったのですが、
シンセベースを細かく連打しまくっているといつの間にかそれっぽくなってしまいました。
同じフレーズを垂れ流して終わり、のようで音自体は微妙に変化しています。自分でも聴き取れませんが。

03 - 複屈折性対昇華防護膜
6曲目のエクストラ曲です。
Darkened Redの「自己複製~」と同様の、曲名だけで90%以上の勝負が終わってしまっている曲です。
曲自体は「マキナの解説でよくある『音数の少ない』って何よ?」というところを耳で確かめる実験です。
実験をやってみて、低音はあまりぶつけすぎるとまとまった1音にしか聴こえないんだなあとわかりました。

04 - Machinary Love
本家X3の「Fever」という曲に陽にインスパイアされた曲です。
ファンキーなワウギターと女性ボーカル…風なスキャットの声ネタ、そして4つ打ちといった感じの、
これまたポップさもあるディスコハウスです。
サウンドクラウドでも私のいつもよりは評価がよかったような。

"Machinary"は完全な誤字ですが、恥を忘れぬためこのまま残しておきます。

05 - King on Horse
地元ネタで申し訳ないのですが、この曲を追加したあたりの時期に、
JR明石駅の駅前ロータリーに民族音楽を奏でてるおじさんがいました。
どこの国の人かは今でもわからないのですが、
ダンスミュージックっぽいリズムに民族楽器の笛がのっかっているのが非常に心地よかったのを覚えています。
その感覚を再現するために作ったのがこの曲です。

06 - Rural (Night Dancing Mix)
4曲目のワンモア曲です。
もともと「Rural」という、RPGの王都のBGMっぽく作った曲がありまして、
それを音ゲー向きにアレンジした曲になります。
うるさいくらいにパーカッションを重ねて祭りっぽく。でも民族っぽくも。

07 - Mourning Music
もちろんバブルシステムのアレとひっかけた曲名です。
ダンスゲーム(のシミュレータ)で使われるとは到底思えないような瞑想的な曲。

何への弔いかは、あえて想像にお任せします。

08 - 古のステップフォビア
私の全身から溢れる90年代臭を叩きこんだ…つもりだったのですが、
勉強不足でポウ!ポウ!言ってるだけの曲になってしまったような。
ジュリテクはEvergreen Destructionでリベンジしたのでそちらもプレイしていただけると。

09 - Clockwork Citrus Laser
Disc:01の時の解説では「当時トランスが嫌だった」という旨のことを書いていましたが、
この曲はこれまた書いた当時苦手意識があったEDMを(よせばいいのに)作ろうとした結果です。
ビープ音のフレーズはなかなかうまくいったように思っていますが、
ドラムセットのフィルターの緩い開け閉めだけで展開ができるわけはなく…

10 - 百孤繚乱
和風なダッチ寄りトランスです。
琴の歌うようなメインメロディとフィルターでぐいぐい変化していくシンセフレーズの、
絡みというよりもむしろぶつかり合いが聴きどころです。

11 - Irritated Games
某カードゲームショップ(閉店しました)に知り合いと通っていたころ、
店内にBGMのうるさい小型のUFOキャッチャーがありまして、
とにかくFM音源っぽいリードが耳障りすぎて頭から離れなかったので、似たようなものを作りました。
音ゲー向けになるように歪み系のキックを追加したうえで。

12 - Wind Song
MSGSで演奏することを前提に作った曲、というかMIDIです。
先に「TEEリスペクトの曲作ろうぜ」という発想が湧いて、
そのためにあえてチープな音が出るMSGS縛りでの曲作りをすることになりました。

今のWindowsはMSGSが劣化しちゃってこの曲のMIDIもまともに再生できなくなったんですけどね。

13 - Cliff Jumper
6曲目のワンモア曲です。
ポップなエピックトランスです、と書くと元ネタは丸わかりですが、まあそういう曲です。
カノンコードっぽい進行でJポップっぽい構成をしているのでわかりやすいです。
個人的には「トランスとの和解の象徴」。

14 - Fundamental Mind
メガドラSTGのBGM風。というかぶっちゃけMetal Squadですね、言い逃れできないほど。
グルコスに「Protocol Signal Generation」というPSG音源を使った曲があって、
そのノリでFM音源を使ってFとMが頭文字になるようなタイトルを付けました。
htsfmsは神。

15 - ハルシネヰションサアフィン
BMSやPMSだとシャッフルポップって結構あるんですが、
ステマニにはそこからの移植も含め全然ないような気がしたので作ってみました。
もちろん非常にポップで非常に明るい曲です。
鐘の音は曲を暗くするだけではないんだなあ、と実感させられました。

16 - Break Your Boundary
すいません、自分でもわかりません。
少なくともEXフォルダの都合で頭文字がBの曲が必要だから作ったのは確かです。

17 - Live with Life
「オケヒをいっぱい使う曲」と「ユーロらしからぬベースの動きがあるユーロ」という発想の悪魔合体です。
どっちの発想も中途半端にしか反映されてない気はしますが、聴いてみたら合いはしてたので偶然うまいバランスに着地できたのかなあと。

曲名は例のシャンシャンやるスマホゲーの原作のもじりです。
(あのゲームにユーロあったっけ)

18 - The Luminous Phoenix
Phoenixシリーズ第2弾…を名乗るにはパンチが足りなかったので、
一度ボツにして、1.5弾ということにして復活させたものです。
ヤケクソのようなキック連打と、The First Phoenix譲りの特徴的な中華風シンセリードが聴きどころ。

19 - fall into deep layer (Boundary Edition)
これまた音ゲー向きではない、静かなアンビエントです。
海の中に沈んでいく感覚を幽かなシンセ音で表現しました。

サントラ的にはこの曲を境に曲の世界観が多少変わります。
この後の曲順も含め、曲順を並べてディストピアっぽくして遊んだことによる怪我の功名といいますか。

-=-=-=-=-=-=-

20 - アームチェアディテクティブの失敗
バラードというジャンルの悪質なパロディといいますか。
エレピは使いどころが難しいです。暗さが欲しい時にうまく調整できないので。

21 - Noblesse Oblige
ヒップホップっぽいリズムを組んで後はどうにか引っ張った曲。
生系でもなくシンセ系でもない中庸を目指しました。

22 - Future Implantation
もちろん曲名はFuture Visionのセルフオマージュです。
音ゲーでRAM氏が作ってたジャンルがRAVEになってる曲の、
オケヒを連打しまくっている感じが好きで真似てみました。
オケヒは私にとってねこじゃらしのようなものです。

23 - Atrocity of Human-Beings
終盤のキックしか鳴らないところがやりたかっただけ。
でも今聴くとシンセのフィルターを開け閉めしてるところは割と好きな音になってる気がします。

24 - Empire of Generation
定期的にFC風チップチューンは作っていますが、この時もまだTriをベンドしてキックを作っちゃっています。
ゴシックホラー系のゲームを意識した曲調はかなりはまったので、あとキックだけどうにかしてれば完璧だったかと思います。

25 - Inertia
Jポップのサイバートランスリミからボーカルを抜いたような曲。
スーパーソーがいればトランスは大概どうにかなります。ならないときもあります。

26 - Hide
音ゲーアートコアではなく、かといってアトモスフェリクドラムンにもせず、
ただドラムンと呼ばれるようなドラムンにしたつもりです。
ピアノがキレイめの音を出しはしますが、あくまで強くて単調なベースが主体になるように、
ドラム含めいい塩梅を探っていきました。

27 - Deathとりから
3拍子プログレというゲーム違うだろ感。
もう少しまともにアコーディオンの音色を扱えていたらもっと絶望感があったかもしてません。

28 - GRAVITON
なんでこいつボスにしなかったんだろう。Gか。Gが足りなかったからか。
(ガジェットで作った都合でアーメンなぞ使えなかったので)人力ブレイクコアの様相を見せる、
でもそこまで暴れてないからハードコアとしか言えない曲です。
この音が携帯ゲーム機から自分で出せるようになったってのは、いい時代になったものです。

29 - New Invitation
インダストリアルの真似事。
ただSC-D70のバンク音色でそれっぽいことをやるには無理があったのでした。

30 - セフィロト旅団と藍色の剣
とある過去のステマニパケのボス曲シリーズをオマージュしたトランスコアです。
オマージュしすぎて元ネタのフレーズをピアノソロでそのままぶっこんでしまいました。

6thまだですか。

31 - Surge of Wrath
4曲目のエクストラ曲です。ストリングスとハードコアの合わせ技。
特に音ゲーのボス曲として使うときのことを考えると、
ハードコアの重厚なキックとストリングスの荘厳な音色で、
一聴して「ヤバいこいつ強い」と感じる恐ろしさが作れるので、
もしボス曲を作ることがあるならそういう曲調をやってみるのをお勧めします。
ここでお勧めして誰かに影響があるのか、ってのは突っ込まない方向でお願いします。。

32 - ザ・音ゲーボスっぽい曲。
5曲目のエクストラ曲です。名は体を表す感じの、いかにもな音ゲーコア。
通常曲のフレーズ(と譜面)が高速化して襲い掛かってくるという伝統のアレをやった曲です。
難易度調整の都合で短くしましたが、もうちょっと伸ばしても罰は当たらなかったかなあと。
現代の基準で73秒はさすがに短すぎるか。

33 - The Reincarnating Phoenix
Phoenixシリーズ第2弾。
ここからシリーズと言いつつほかのシリーズ曲との関連性が消失していきます。
正直オケヒを使いたい欲が頂点に達しているときに作ったものなので、
オケヒ以外の存在意義が皆無、というか曲として成立していないような。

34 - Stray Evolution
5曲目のワンモア曲です。
NAOKI大先生のユーログルーヴ系楽曲に影響されまくったのは聴けばわかると思います。
譜面が氏のボス曲でよく行われているように、コンボ数や同時押し数に法則性を持たせて遊んでいたり、
鬼譜面が(本家以外の音ゲーも含んだ)氏の音ゲー曲の譜面の引用になってることにお気づきの方はどれくらいいらっしゃったでしょうか?




☆あとがき
いかがでしたか?
あくまで私の解説なので、皆さまはもっと違った印象を受けておられるかもしれませんが、
それはそれとして、比較して楽しんでいただければと思います。

一応CDに焼ける長さにはしてるつもりなので、Evergreen Destructionの分を配信するときは
内部でディスクをもう一枚分けることになるかも。
まあ、まずはBoundaryを完結させてから考える話ですね。
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