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アルミビジョンのブログ

某所から移転してきました。 主に音ゲーシミュ用の何かとDTM。

ライダー映画のネタバレと感想
2019年になってようやく仮面ライダーを見始めたので放映中の作品の映画を見るのは初めてです。
平成二期後半からの「出せる情報はどんな媒体を使ってでも出すスタンス」もあって、
映画単体でのエモさももちろんTV放送本編の挿話としてもかなり興味深いところがあったのでメモです。
なお、私は公開日(2019/12/21)に見に行ってから、
一日置いて(2019/12/22)本放送15話の録画を見る前にこの文章を書いています。
公開直前の本放送14話を見たうえでこの映画を見て
「或人がそういう行動ばっかりするのはこういう理由なのか…」と悪い方向に推論してしまったので、
この文章を書ききった上で録画を見て答え合わせします。

あとジオウ側については本編見てない(そもそも当時地上波見れる設備がなかった)ので
ものっそいWikipedia知識です。間違ってたらごめんなさい。

以下、ネタバレを多大に含みます。
映画未見の方は十分ご注意ください。

・時間軸は?
ゼロワン側はラストの描写からして最低でも滅の退場前(15話)、
或人がブレイキングマンモスに変身しててシャイニングホッパーに変身していないので、
そもそもプログライズキーがないと仮定するのなら9話~12話の間の話になります
ただ不破がヒューマギアにデレ始めてないのでそれより前な気もします、映画撮ってた時期から本放送までで何らかの設定変更があったのかもしれませんが。
ジオウ側はTV本編終了後の新世界のどこかのタイミングで、未発売のVシネとどちらが先かはわかりません。

映画内ではゼロワン側の時間軸の2012年と2019年を取り扱っています。
2012年で起きた出来事について、とあるポイントに達するまでの出来事は"映画内では"ゼロワン側時間軸の正史として扱われます(※1)。

・TV放映のレギュラー陣はどうなってるの?
ざっくり言って、人間のレギュラーは残りわずかな人間を守るためのレジスタンスに身を寄せており、
ヒューマギアのレギュラーは飛電インテリジェンスに勤務して人類抹殺に勤しんでいます。
或人以外の4ライダーはTV放映版同様にライダーへの変身が可能ですが、
人間側の2ライダーは初期形態しか出てきません。

また、イズだけはヒューマギアですが例外的にレジスタンス側にいます。
彼女はどうやらレジスタンスが保持している【衛星ゼア】に直接制御されているらしく、
情報の矛盾から歴史改変を検知した結果人間側のサポートをしています。

・仮面ライダー001って何?或人はなんでゼロワンに変身しないの?
アナザーゼロワンという存在こそいますが、ジオウ本編初期のようにアナザーライダーが存在するだけで力を奪われたというわけではありません。
実際映画冒頭でゼロワンに変身してアナザーゼロワンと戦闘はするのですが、敗北して飛電ゼロワンドライバーを物理的に失ってしまいます。
その後、後述の理由で滅亡迅雷フォースライザーを入手して変身するのが仮面ライダー001です。
何年か前の超デッドヒートドライブのポジションだと思っていただければ大体合ってます。

・アナザーゼロワンって何?
改変後のゼロワン世界での飛電インテリジェンス社長、ヒューマノイド・ウィルがアナザーゼロワンウォッチで変身するアナザーライダーです。
本来の歴史との分岐になる後述の出来事の少し前に、タイムジャッカー・フィーニスからアナザーウォッチを与えられて変身するようになります。

なお、アナザーゼロワンはゼロワン以外のライダー(アナザーライダーのルールを無視できるジオウ勢でもありません)に撃破されますが復活しません。
まあそのタイミングでフィーニスが何やってたかを考えるとウォッチ再起動→復活とかやるのは無理でしたが。

・ヒューマギア・ウィルはどうして人類滅亡を企んだの?
TV本編でも出てくる【アーク】(※2)の影響です。
TV本編では2012年のヒューマギアの暴走(デイブレイク)はヒューマギア工場一帯の自爆により食い止められましたが、
映画では人工衛星として打ち上げられてしまい、ヒューマギアはアークの演算するままに人類滅亡を進行させていきます。

要するに、【アーク】が人類を滅ぼそうとしていることについてはTV本編と映画で差はありません。
実行するための旧型ヒューマギアがいるかいないかという差になります。
ぶっちゃけウィルという1個体にこだわる理由もない(代役は無数にいる)ので、
彼を倒すことは改変された歴史の修正には寄与しません。

ウィル個人としては「ヒューマギアに労働の対価が払われない」ということを不満に思っており、
実際其雄と協力して(後述)反乱の準備はしていましたが、
私の解釈が正しければその不満すら【アーク】の制御によって上書きされています。

・タイムジャッカー・フィーニスはどうして歴史改変をしたの?
タイムジャッカーの間では「歴史改変をするとジオウが介入して阻んでくる」という共通認識があるようです。
フィーニスはジオウの魔王の力を欲しており、そのための過程としてゼロワン世界の歴史改変を行いました。
ジオウが介入してくれる=誘い込めるなら別にどんな世界でもいいということにはなりますが、
平成ライダーの世界でそれを実行するのはすでにすべての平成ライダーの力を継承したジオウを嵌めるには悪手なので、
令和ライダーたるゼロワンの世界で実行したのでしょう。
そうまでして魔王の力を欲したのはなぜかというと↓

・アナザー1号って何?
フィーニスが「魔王の力を奪い取って作ったライドウォッチ」で変身する、仮面ライダー1号のアナザーライダーです。
なんで昭和ライダーのアナザーライダーがいるのかとか細かいことは1回見ただけではよくわかりませんでしたが(※3)、
最終的にこの存在自体が改変ポイントとして機能したようで、撃破することで歴史は元に戻りました。

・『なんで父さんが変身してんだよ!?』
或人の父親代わりのヒューマギア・飛電其雄。
TV本編ではデイブレイクの回想が挟まる度に或人をかばって機能停止するシーンが繰り返される彼ですが、
映画では2012年にウィルと協力して兵器として「仮面ライダー」を開発しており、そのプロトタイプたる仮面ライダー1型の変身者となっています。
そしてそれは改変ポイント以前から続けていたことなので、歴史改変を阻止しても変わらないゼロワン世界の正史なのです。(※1)
其雄本人は改変ポイントたる「【アーク】の打ち上げ」を良しとせず、ロケットをハッキングして打ち上げの停止を試みますが、
ウィルが初めて変身したアナザーゼロワンに敗北し、【アーク】の打ち上げを許してしまいます。
そして彼も【アーク】の制御の影響を受けてしまい…
(↓以下重要ネタバレのため白反転↓)
歴史改変の成功によりデイブレイクで機能停止することなく2019年に存在する其雄は、
飛電インテリジェンスの株主総会に乗り込んだ或人と相対します。
互いにライダーに変身しての高速戦闘の末、一歩上回ったのは或人。
正史で機能停止したあの場所で、正史同様に機能停止しようとしている其雄は或人に語ります。
或人が気づいていた通り、【アーク】の制御の影響は受けていなかったこと。
滅亡迅雷フォースライザーを渡したのは自分だということ。
「仮面ライダー」は或人の将来を案じて作っていたこと。
そして或人が仮面ライダーの力で人間もヒューマギアも笑える世界を作ってくれることを願いながら、笑顔で事切れます…

・で、感想は?
主と従が逆転した世界に「そもそも主も従もない世界」を作ろうとしている主人公が放り込まれて、
真実を知りたいと突き進んでその真実に打ちのめされても、それでも進んでいく或人の姿を見て、
やはり仮面ライダーの主人公なのは間違いないんだなあとは思いました。
…ただ、何かしらの集団の先頭に立つのは向いていても、どうもゴリ押しだけでは進むことのできない会社社長には向いてないんじゃないか?とも。
ちょうど直前のTV放送回で人間とヒューマギアの絆を重視しすぎて社内から不信感を買っていましたし、
この映画の名シーンは後々或人にとっては呪いに等しいものに変わるんじゃないかという不安があります。

単体の映画として見るのであれば、
支配種シフトによってそもそも「親」と「子」の関係自体が狂った状態で、
それでも子に何かを遺そうとする其雄の奮闘が見どころになるんじゃないかと思います。

----- 脚注 -----
(※1)ライダー映画ではよくあることですが、封切り当時正史とされてた映画設定はTV本編等で覆されることがあります。
(※2)本作では【衛星ゼア】と同様【衛星アーク】と呼称されます。
(※3)少なくともOver Quartzerの時間軸を経由していないので、ソウゴは昭和に関連する力を持っていないはずなのですが…
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