2020年5月某日。
パンデミック化でどうしても外出が減ってしまい、運動機会は減っているのに食べる量は増え、
筆者は着実にデブまっしぐらでした。
そこで思ったのが「足でPulsenやれば運動になるしOutsiderの譜面のネタも拾えて一石二鳥では?」ということ。
幸い、某所で大量にPS1時代の中古DDR専コンが売られているのは知っていたので、
そこが営業しているのを確認後、諸々の対策をしながら店舗に向かい無事購入できたのでした。
ホクホクした思いで踏み心地改善用の部材を買いながら帰宅。
しかし、帰宅後動作確認をしている際に気づいてしまったのです。
「あれ、←パネルの入力が効かない?」
こうしてせっかく買った専コンはタンスの肥やしとなり、
筆者のデブ化は進行し続けるのでした。
パンデミック下の厳戒態勢が多少緩和され、仕事の都合外出機会も増えてきたので、
このままタンスの肥やしは肥やしのままにしておこうかと思いましたが、
梅雨入りでロクに運動できないのは事実なので、専コン改造を試みることにしました。
といっても、電子系の大学を出てるにもかかわらず回路関係はさっぱりなので、
「修理+簡単にできる改善」程度にとどめ、
タンスの肥やしから「とりあえず現足10程度はクリアできる程度の専コン」を錬成することをゴールと設定しました。
以下はその記録となります。
今日日真面目に分解して図解してるサイトなんてサーバごと消えてると思いますし、
同じようなことを考えた方は取っ掛かり程度に見ていただけると作業がはかどるかもしれません。
◎6月11日
この日は仕事が休みで、創作絡みの別件を処理しつつダラダラしてたのですが、
昼からは雨が降ってるし買い出し行くには早いしで、なんだか手持無沙汰だったので手を動かす作業をやりたいなと思いました。
そこでタンスの肥やしの専コンを思い出し、分解修理を試みました。
まずは専コンを裏返して、+ねじを外してプラスチックの蓋を取ります。
そうすると、上のように、専コンの基板と専コンの周りを覆っているバイアステープの端っこが出てくるので、上のほうについてるコネクタ的なモノを分解したところ
前誰かがRTしてたツイートみたいにテープで色々無理矢理止めてある pic.twitter.com/05V4DlhES4
— ナイラー / アルミビジョン (@Niler_jp) June 11, 2020
そこから力技でバイアステープを外していきます。
本当に力技です。
初期型DDRコンを分解して横から見ると、上図のような層状構造になっています。
上から、
①保護ビニールの層
元々マットというだけでズレやすいのに、この層がやけに余裕を持ってついてるせいでマット全体がガバっとずれる原因になっています。
「専用コントローラ2」(後期型のPSDDRコン)以降は廃止されました。今回の分解修理でもついでに除去してしまいます。
②パネルがプリントされてあるビニールの層
まあこれだけにしてもズレるときはズレます;
この層をボストンバッグにリノベーションした海外ゲーマーが一時期ついったで話題になってましたね。
③カーボンシート層(全面)
GND(推定)と同電位になるよう、全面炭素が塗られたシートの層です。
④スポンジ層
その名の通りスポンジの層ですが、パネル位置には穴が開いています。
⑤カーボンシート層(パネル位置)
専コンの基板から各パネルの位置に、配線の代わりに炭素が塗ってあります。
⑥裏面の層
一番裏の層です。たぶんビニール。
となっています。
普段は③と⑤の間は④で絶縁されていますが、パネル位置を踏むと④がヘコんで、
穴が開いている位置で③と⑤が導通して基板に入力信号が飛ぶ、というわけです。
ちゃんとしたセンサーを使うとコストが高くなるからこそこういう作りなのでしょう。
さて、分解後の状態を見て最初に入力異常の原因として疑ったのは④スポンジ層でした。
というのも、下の写真を見てわかる通り、他の層と比べてかなり伸びて+ヨレてしまっていたのです。
とりあえずヨレは引き延ばし、ビニールからはみ出て余る部分については切ることにし、その下の穴ぼこスポンジ pic.twitter.com/MRvQL6N85E
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それに伴って穴が減るパネルについてはスポンジに穴を追加しました。
一旦その状態で動作確認のために組み立て直し…なのですが、
③カーボンシート層とGND(推定)が外れてしまっていました。
実は専コンの基板と2枚のカーボンシート層の間はテープ貼り付けで接触させている程度で、とりあえず表から2層目と3層目を両面テープで止めた。
初期DDRコンにだけある1層目も取っ払ってるのでこれでスライドした時に変な感触しながらずれる事はないはず pic.twitter.com/Dn2H4P8CBW
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やろうと思えば簡単に引っぺがすことができます。
今回はGND(推定)と全面カーボンシート層だったので貼り付け直しで何とかなりましたが、
パネル位置のほうのカーボンシート層が剥がれてしまうと配線の幅とか貼り付け位置の都合地獄を見ることになるかもしれません。
あとここまでしつこいようにGND(推定)と表記していますが、
今回テスターを実家に置きっぱなしでどこがGNDなのか調べようがなかったのと、基板にも記載がなかった(はず)ので、
「面積広い方をGNDとして扱った方が楽そうだよな~」という願望の下推定しています。
また調べる機会があったら調べて訂正しておきます。
話がそれました、この状態で組み立て直して、
エレコムのPSコンをUSB接続に変換するやつを噛ませてPCに接続し動作テストしました。
しかし、この状態でも←パネルだけ入力判定がないままになっていました。
もしかしてスポンジは特に悪くなかった?(劣化はしてるけど)
そこで次に疑ったのが⑤カーボンシート層。
←パネルに相当するカーボン塗装が断線してしまっているのではないかと推測しました。
そして。
見つけてしまったのです。ホントに剥がれてたわ、これはいけない pic.twitter.com/m4A50UEw4l
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これを見つけた時は正直どうしようかと思いました。
家に炭素をビニールに塗れる設備なんて当然ないし、銀ペーストやコンダクションペンも普段電気モノ触らないので持っていません。
かといって半田をビニールに垂らしたら大惨事だし…
一時はもうあきらめて別のマットを買い直そうと思い、気晴らしに食料の買い出しに出たのですが、
その帰りにいいアイデアがひらめきました。
「ビニールシートの要らなさそうな部分切ってつぎ足せばいいじゃん。」これで一応治りました。やったぜフラン pic.twitter.com/2GmuqyLR4O
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この状態で動作確認したところ、無事に←パネルの入力が復活しました。
他パネルの反応も問題なし。よかったよかった。
動作異常の修理はできたので、ついでに踏み心地の改善のためにアクリル板を貼りました。踏み心地改善用のアクリル板を貼り付け。
本来なら全部C面取りしたいけどここ職場じゃなくてお家なので… pic.twitter.com/WOkCa62yD5
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これ自体は百均の安いやつです。
踏む場所を底上げして触覚で分かりやすくするという古からの知恵ですね。
貼り付けた状態で入力を確認、おかしくなった箇所はなし。
この日は入力異常の修理+パネル底上げ改善で終わりにしました。死ぬほどスポンジ余ってて不格好だけどとりあえず今日はここまで、踏んで問題なく反応するところまでは確認した pic.twitter.com/t3mVzjsWb1
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(というよりも、諦めムードだったせいでせっかく買い出しに行ったのにこの後に必要な部材を買っていなかったので、
ここで止まらないといけなかったというほうが正解です)
表面にひっくり返してその辺にあった洗濯ばさみで仮止めして、次触るときまで放置。
◎6月12日
普通に仕事がある日だったので、退勤後いくつか必要そうな部材を帰り道にあるホームセンターで購入し、
帰宅後作業に取り掛かりました。
はみ出たスポンジをざっくりカット pic.twitter.com/aDXf9hTx70
— ナイラー / アルミビジョン (@Niler_jp) June 12, 2020
前日はスポンジが余ってる状態で終了していたので、
プリントビニールのサイズに合わせてスポンジをハサミで切りました。
(写真ではわかりませんがうっかりSELECTボタンに相当する箇所のスポンジを切りすぎてしまいました。
そのままにしておくとSELECTボタンが入力されっぱなしになってしまうので、
この後アクリル板の余りをカットして貼り付けて無理やり絶縁しなおしてます。)
最後に全周養生テープで覆って終わり
(貼るのが雑…) pic.twitter.com/qR4GkB0LUi
— ナイラー / アルミビジョン (@Niler_jp) June 12, 2020
その後は各層を両面テープで貼り付けていき、
最後に元々のバイアステープの代わりに養生テープを外周に貼り付けていきます。
ついったでも書いてますが、貼り方が雑というか杜撰というか…
でも面倒になったのでこのまま行きました。
テストプレイ。
テストプレイ(夜かつ騒音対策してないので恐る恐る)。
とりあえずこの時点では誤反応とか無さそうだった pic.twitter.com/EJPww8aEjS
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ついったの動画では途中切り取られていますが、とりあえず一曲通しでプレイするまでは問題ありませんでした。
ただ、テストプレイ終了後オートセーブのためにメニューに戻ったのですが、
そこでずっと↓パネルの入力が入りっぱなしになってしまいました。
電源落とした後にもう一度分解して確認したら、
スポンジを切ってしまったせいで専コンの下の端に導通用の穴が来てしまっていて、
テストプレイ中かその後の操作かはわかりませんが、中のスポンジが微妙にずれてカーボンシート2枚が常に接触してたみたいです。
スポンジの穴一個分、パネル位置のカーボンシートを内側に切って対策しました。
(こういうところで写真撮ってないあたり記事を書くの慣れてないのがよくわかる)
もう一度動作確認して、ちゃんと↓は押した時だけ入力されるようになったのでここで終了。
実戦投入は別の日に回します。
◎6月13日
この日は仕事の後別の作業をしていたので進捗無しです。
(ちなみに作業の成果はコレです。フリーDLなので聴いてください(宣伝))
◎6月14日
前日の作業にとどめを刺した後、買っていた静音クッションを敷いてPulsenの低難度を遊んでみました。
踏み心地はそこまで悪くない…のですが、静音クッションは特に細工なしでもズレないのですが、
簡単な譜面でも専コン本体がズレてしまい、なかなか遊びづらかったです。
この状態で一応Pulsen基準で足3くらいまでは問題なく遊べてます。
DDRコン修理計画の(一旦)最後、滑り止めシートを買ってきた pic.twitter.com/iEp6hUkEYi
— ナイラー / アルミビジョン (@Niler_jp) June 14, 2020
別件で外出したので、そのついでに百均で滑り止めシートを確保。
カットして両面テープで背面ビニールの四隅に貼りました。
こんな感じで貼りつけて防音クッションの上で動いてみて、特にずれる感じなかったから一旦これで完成でいいかな pic.twitter.com/4LZkur9gPF
— ナイラー / アルミビジョン (@Niler_jp) June 14, 2020
この状態でCSEXTで踏み心地確認。実験条件を2種類同時に動かすとか学生経験者のやることじゃないですね;
旧足5くらいまではクリアできるのはわかりましたが、これでもズレるにはズレます。
ヤケクソ気味に9箇所貼りしましたがそれでもズレます。現状お手上げです。
一旦ここで完成ということにしておきましょう。ビバ妥協。
◎総費用
以下税込みです。一応書いておくとこの記事の時点では10%です。
・専コン(ジャンク) : \400くらいだったはず
・両面テープ(100均のほう) : \110
・アクリル板 : \110×2枚=\220
・両面テープ(多用途) : \384
・養生テープ : \219
・静音クッション : \1,099
・滑り止めシート : \110
総計 \2,432。
アマゾンで売ってる怪しい専コンよりはワンコインくらい安上がり?
◎今後の展望
とりあえず遊べる専コンを確保できたので隣人に配慮した範囲でバリバリ遊んでいこうとは思っていますが、
上達…というかAC本家やめる前の腕前に戻していく過程でいくつか不満も出てくるだろうなあとは思っています。
一番はズレの問題。
静音クッションはズレないので、外周を静音クッションに貼り付けてしまえば一応は対策可能なのですが、
予算と住宅事情の問題で仕方なくとはいえ、せっかくメタルパッドでなくマットの専コンを選んでるのに小さく片付けられないのはちょっと…という感じです。
背面ビニールを丸ごと今と別材質の滑り止めシートに変えるとかした方がいいのかもしれません。
踏み心地も少し気になっているところで、造りの都合上当然AC筐体やメタルパッドのような踏み心地になるわけはないのですが、
それをごまかすためにアクリル板を入れてるのにそんなに感覚が変わらないような…
ついったのフォロワーさんからアクリルの剛性についても指摘をいただいていて、
それ含めて改善の余地があります。
一個試してみたいのが、静音クッションをパネルサイズに切って中に仕込んだら踏み心地はどう変化するのかということ。
騒音に関してもまだ改善の余地がありそうで、
階下へドスドス響く音が静音クッションでまだ殺しきれてなさそうなのと、
それ以上にビニールのクシャクシャ音が意外にうるさく、こっちは静音クッションみたいなやりやすい対策が思いつきません。
根本的にはカーボンシート含めビニール全廃しないと改善できなさそうですが、
そうするとメタルパッド買えって話になってくるので…
まあ、それぞれ対策を思いつき次第試していきます。
成功したらまたこんな感じで記事になるでしょう。
◎まとめ
予算があるなら素直にメタルパッドとメタルパッド特有の騒音を出しても許されるお家を買いましょう。
それが無理ならまずDXコンを探してみて、見つからなかったら上記を基に予算等の許す範囲でいろいろ改善してみたらいいと思います。
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